第14回日本ビジネススクール・ケース・コンペティションで優勝した早稲田大学大学院 平本信敬チームが、愛媛県を訪れ、中村時広県知事との面談や観光施設の視察などを行いました。この視察ツアーは、今大会の後援である愛媛県による企画で、優勝の副賞として、同県観光国際課が準備されたプログラムに、同大学大学院の平本信敬さん、小野寺友基さん、青木達也さん、佐々木夏瑞さんの4名が参加しました。
2月2日、平本チームは県庁の中村知事を訪問し、優勝したプレゼンテーション「変革のビジョン『人と街と社会を繋ぐ生活インフラ』」を紹介。小野寺さんが中村知事に対し、人口減少していく愛媛県の課題や、今回のケースの主役企業である“アイヒメ”の分析から「事業の選択」「投資の集中」「基盤の拡張」と3つの戦略を立てた背景、空港コンセッションに参加しないと判断した経緯を説明しました。中村知事は愛媛県の人口減少・人材難の現実とその対策を紹介。また提案する施策についてインパクトの重要性を指摘し、事例として中村知事が「誰もやったことがないことをやる」と取り組まれたしまなみ海道のサイクリング大会について紹介されました。中村知事は「これをきっかけに課題がめじろ押しの地域の実情を知っていただき、プラスアルファのアイデアが出てきたら提供してもらいたい」と話されました。また田中副知事との面談では、松山空港の国際線戦略と将来展望を伺いました。同県航空政策室との意見交換会では青木さんがチームの戦略を説明。グランドハンドリングなど空港運営人材の確保が課題であることを伺い、戦略面だけでなく実務面での生の声を聞き、空港経営の難しさを学びました。
このほか、松山空港や同県の観光施設の最新事例として、今治市大三島に新しくオープンした宿泊、カフェ、ツアー&アクティビティ、サイクリングサポートなどのサービスを提供する総合ツーリズム施設“WAKKA(ワッカ)”を視察しました。
参加した佐々木さんは、「知事の強い思いと行動力に感銘を受けました。」と話し、県庁や県内の企業との議論を踏まえて「ケースの世界にとどまらず、実地で学ぶ機会を頂いたことで、学びが立体的になった」と総括。「愛媛県は、空港から市街地への距離も短く、美味しい郷土料理、道後温泉、しまなみをはじめとする雄大な自然、そして産業も溢れています。ぜひまた訪れたいです。」と愛媛に魅了され、今回の視察ツアーを締めくくりました。
◆編集後記
JBCC2023では、愛媛県視察により、実際にビジネスの場で業務に励まれる方と意見交換をすることができ、大会での戦略提言にとどまらないリアルな学びを受けることができました。今回、このような貴重な機会をいただきました中村知事をはじめ、愛媛県庁の皆様、企業の皆様にこの場を借りまして御礼申し上げます。
(JBCC実行委員会 実行委員長 有森 武)
(写真は全て、愛媛県提供)